会長からのメッセージ
神戸 保 Tamotsu Kambe
愛知県出身。大学のスペイン語学科4年在学時に日本ブラジル青少年交流協会第6期研修生として初めての渡伯。1988年、交流協会のサンパウロ事務局員として移住。結婚。日本の進出企業、広告代理店勤務を経て、1988年通訳翻訳業で独立、現在にいたる。サンパウロ州サンパウロ市在住。2児の父。ANBI会長
昨今、インターンが日本で注目されるようになっています。日本人も国際化しないと、これからのボーダーレスな世界で日本は生き残れないと。
1871年8月、明治維新から4年目の政府は廃藩置県(何百年もその地方のリーダーだった支配者を辞めさせて東京に出てこさせる施策)という大革命を断行し、驚くべきことにそれから半年も経たないタイミングで岩倉使節団を海外に派遣しました。政府要人はもちろん、当時では信じがたい6歳から14歳の女子も、1年半もの間欧米諸国の進んだ文明や制度仕組を学ぶために海外インターンに派遣されました。
私たちブラジル日本交流協会(ANBI)のブラジル研修留学制度は、ブラジルの実社会を体験して修業するプログラムです。1981年に始まり、これまでに1000人近い若者がブラジルで異文化体験をし、その後ありとあらゆる分野で活躍しています。特定のスキルを身につけるためだけの「想定内」のプログラムではありません。「想定外」の成長ができる魅力のあるプログラムです。
私たちの特徴は、、、
- 研修しながら学ぶ
- 生きたポルトガル語を学ぶ(言葉はツール、研修中に学ぶ言語でブラジルにいる間にコミュニケーション)
- 留学の範囲を超える幅広い人たちとの交流(研修先、学校、趣味、ANBIを取り巻く人々など日系、非日系を問わず、年代やジャンルを越えた付き合いができます)
- 研修生活補助制度(地元社会からのサポート)
- 経験豊富なOBOGからのサポート(世代や職業、分野を超えた交流)
- 若いころの研修留学=損得抜きの人間関係構築=一生の財産!!!
などです。
もうひとつの魅力はブラジルで生活する醍醐味。ブラジルはコーヒー、サッカー、カーニバルといったステレオタイプと、治安の悪さやコモディティー輸出大国と言った報道で知られている情報以外には、日本での知名度は低いです。
日本人が残念ながらほとんど知らないのが世界最大の日系社会。最大であるだけでなく、ブラジルにおいて日系人は「信頼できる人」の代名詞。今年116年を迎える移民と国家建設への参加の歴史で、日系人の貢献がブラジルの万人から評価されています。世界でもこれほどの親日国はありません。ヨーロッパや米国、アジア諸国にもないブラジルだけの特徴です。
ブラジルは世界の縮図です。この国では、ポルトガル人もイタリア人も、アフリカ系も、アラブ人とユダヤ人も、日本人も韓国人も中国人も、世界中の国籍や文化の民がご近所さんとして生活しています。ここは、南半球の新世界です。発見からたったの500年。新しい人類社会を創るラボラトリーです。
とにかく、日本とは全然違う面がたくさんある。「人間って、こんな生き方もオッケーなの?」と、今までの生き方、これからの生き方に疑問符を投げかけてくれます。
長い人生、ちょっと素敵な寄り道するのも悪くないと思う人、お待ちしています。